奨学金の救済制度と債務整理

「奨学金の返済が苦しくなってきた何か救済措置はあるの?」
「親には迷惑かけたくないしできれば内緒で対処したいけど保証人への影響は?」

債務整理には、税金や年金、国民保険、慰謝料、養育費などに関しては、「非免責債権」とされ、債務整理の手続きができないことが法律で決まっています。

奨学金はこの非免責債権のくくりではありませんが、あなたが債務整理することでの影響範囲は出てきますのでしっかりこの記事で確認していきましょう。

昔は奨学金を利用している学生は約4人に1人でしたが、ここ数年では2-3人に1人が利用していて、それに比例してか、最近は奨学金の返済で苦しむ若者も多く、社会問題にもなっています。義務教育の年齢だった時とは変わり、社会の繋がりも交友関係も多くなったり何かと交友費や支出がかさむ、そもそも学費が高く返済が追いつかずに延滞料が増加してしまったりと様々なケースがあるでしょう。

自分だけで抱え込まずに専門家に相談し、様々な対応策の選択肢を広げて、人生に落胆しないように希望を持って再生していく手がかりを掴んで欲しいと思います。

★奨学金の構成
奨学金は学生本人が申請者となります。
教育ローンは、親や保護者となる人が申し込むものですが、奨学金は学生本人が返済するのが表立った格好でしょう。

奨学金は2種類の保証制度の活用に分けられ、機関保証か連帯保証人を立てるかです。
あなたの奨学金はどちらのタイプだったでしょう?

【機関保証の場合】
名称:公益財団法人日本国際教育支援協会
システム:加入者が保証料を払う、奨学金から保証料を引いた額が振り込まれる

【保証人の場合】
連帯保証人:両親(父か母)
保証人:連帯保証人とは別生計を立てている4親等までの親族

奨学金というと、世間一般のカード会社(クレジットカード・消費者金融・銀行)の借金とは違う意識になりがちですが、奨学金も貸付金であって返済義務が発生します。
一方で給付型で給付されるものもあります。

・返済期間や利息
返済期間は月々の返済額や自宅通いかそうでないかにもよりますが、だいたい10〜20年間の間です。また所得が上がると共に返済額をあげることや、繰り上げ一括返済などもできるのでそれらによっても変わってくるでしょう。

世間一般の借金に比べ、奨学金は利子が低いのが特徴で、変動型か固定型かによりますが、0.01%〜0.80%の間で0.23-0.45%くらいが通常でしょう。

★奨学金を滞納するとどうなるの?
奨学金を滞納すると遅延利息が発生してきます。
低かった利息に比べ、遅延利息は2.5〜10%と高くなってくるので注意です。

また、3ヶ月以上滞納すると、個人信用情報機関に金融事故を起こしている者としてブラックリストに載ることになります。
この場合、すぐに支払いを再開すればブラックリストから消えますが、長く延滞をしていたり債務整理に発展すると数年の間ブラックリストとなるので、クレジットカードを作れなくなることや、ローンを組むことができなくなります。

また、半年以上遅延していると保証人に請求がまわったり、さらに9ヶ月以上滞納すると、保証機関が代弁したりすることになり、そうなると今度は保証機関から一括返還を要求されてしまうでしょう。また、銀行口座の差し押さえに発展することにもなりかねません。

そうなる前に弁護士に相談することをおすすめします。
最初の新規の相談なら無料で受け付けてくれるところがほとんどですし、電話やメールでも問い合わせは可能です。

弁護士は厳しく怖い印象を持つ人もいるかもしれませんが、そんなことはなく、法的に最適な対処方法を示してあなたを守ってくれるでしょう。
払えなくなった事実は仕方がないので、一人で抱え込まないことが大切です。

★奨学金が返済できなくなった人のための救済制度がある
就職難、倒産、低所得や出勤できなくなる病気などで奨学金の返済に悩む若者が多いのも現状です。

そこで「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」などがありますので、それぞれみていきましょう。
・返還期限猶予制度
日本学生支援機構で審査を通せば、最大で10年返還を延長できます。
失業、災害、予期せぬ病気など返済が厳しくなる事情がでた場合に申請ができる制度です。
元金の減額や利息免除になったりはしませんが、状況を回復できる見通しが想定できる場合には有効な処置となるでしょう。

【病気療養】
就労が困難なった旨の診断書で2ヶ月以内に発行されたものを用意しましょう。

【生活保護受給中】
2ヶ月以内に発行された生活保護受給証明書か民生委員証明書を厚生労働省に問い合わせて用意しましょう。

【失業中】
雇用保険受給資格者証
雇用保険被保険者離職票
失業者退職手当受給資格証
などのコピーをハローワークなどで用意しましょう。
その他には退職した勤務先で退職や離職したことの証明書がもらえるならそれでも可能です。

・減額返還制度
毎月の返済額を減らす救済制度で、奨学金の元本や利息を減らして返還できるものではありません。期限猶予制度と同様に証明となる書類を用意し、制度の申請を願い出る時に返済を遅延してないことが条件となるので注意しておきましょう。
また、この制度は口座振替で毎月の月賦で返済されていることが条件です。

★法的手段をとる
救済制度では奨学金の減額をすることまではありませんでしたが、減額までをするには債務整理ということになります。

ただし、奨学金には保証人をつけているはずなので、あなたが債務整理をすると親御さんなどの保証人に一括請求がまわることにもなりますので慎重にみていきたいところですね。

・任意整理
任意整理とはカード会社と任意の元での交渉で、今までの利息や将来の利息分をカットしたり返済計画を見直せる手続きですが、奨学金は利息がもともと低いので、利息分をカットできても依然として現状は苦しいままである可能性が高いです。

さらに、債権者である日本学生支援機構は、あまり任意整理の和解に応じない傾向があリます。

あなたが、奨学金の他にもカード会社の借金を抱えているのなら、奨学金をのぞいて任意整理するのも一つの策となるでしょう。
何故ならば、任意整理では手続きする借金先を選べるので、親などに迷惑のかかる保証人付きの借金(ここでは奨学金)をのぞいて任意整理の手続きをすれば、保証人に請求が行かない上に、金利の高い他のカード会社の借金だけ整理することで返済総額を減らせる他、月々の返済額の見直し軽減ができるからです。

・個人再生
個人再生では、借金元本の減額を最大1/5まで求めることができる手続きで、裁判所の介入が特徴です。
認められた再生計画では3〜5年で完済となるため目処が立ちやすくなる他、車など資産を没収されないで済むのも特徴です。
ただし、安定的に継続して入る収入、返済能力がチェックされます。

・自己破産
あなたに全く返済能力がなくなったとされる場合、裁判所の判決によって全額免責となる手続きが自己破産です。
また、100万円以上の現金と20万円以上の価値がある財産は募集処分対象となります。
(当面の生活に必要な分として99万円までの現金と19万円以下の価値の物品は対象外)

また、自己破産中に就けない職業がありますので対象の職業への就活中や在職中の人は注意が必要です。
制限される職業とは、弁護士・司法書士・税理士・宅建取引士・鑑定士などの士業全般と、旅行業務取扱管理者、警備員、騎手、場合によっては金融業などです。

・個人再生や自己破産でかかる保証人への影響
個人再生や自己破産では、減額や免除と説明しましたが、その分の請求は連帯保証人や保証人に渡ることになりますので、親や保証人にしっかり事前説明する必要があります。

尚、その請求は一括返済を求められることになってしまいますので、場合によっては親や保証人に返済能力がない場合、共倒れとなり親御さんも債務整理することになってしまいます。

・ブラックリスト
いずれの債務整理でも手続き経験者となると、ブラックリストに登録されることになります。金融ブラックとなると7〜10年ほどは、クレジットカードを持つことができない他、ローンを組んだり機関から借金をすることが一切できなくなります。
また、スマホなどの電子機器本体代金を毎月の通信料と上乗せで分割払いする割賦払い契約も組めなくなります。(稀にスマホ本体の割賦契約が通る場合もある)

マイホームローンを組む、マイカーローンを組むことや留学ローンなどが組めなくなるので人生設計も充分考慮して対処していくといいでしょう。
ただし、借金を抱えること、返せなくなること、ブラックリストに載ることはこの世の終わりではありません。このような問題で精神を病んでいる人も多く社会問題にもなっているので国としての対策は行われていますし、これらの問題に直面した人が人生の再生ができないことでは決してありません。

借金の問題で精神的に病んだり、絶望感を持っている若い世代も多いでしょうけれど、諦めることはありませんので、まずは弁護士に相談して着実な対策を取っていくことが最善です。

★奨学金の救済制度と債務整理まとめ
・奨学金は低利子だが遅延利息はかなり高額になってくるので放置は注意
・3ヶ月以上滞納するとブラックリストに載り9ヶ月以上で保証機関か保証人へ一括請求となる
・救済制度として「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」があるが減額にはならない
・奨学金もカード会社の借金と同じなので債務整理は可能
・奨学金の債権者である日本学生支援機構は和解交渉に応じない姿勢
・奨学金は利息が低いため任意整理の効果はあまりないが保証人付きを除外したり他の借金も多数ある時は有効な手段
・債務整理で減額や免責になっても連帯保証人(親御さん)に一括請求が渡ってしまう
・債務整理はブラックリストに載り一定期間就くことができない職業がある

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