自己破産後は所有している自宅にいつまで住めるのか?

「自己破産すると、いつまでに自宅を出ていかないといけないの?」
「次の住まいはどうしよう?」

自己破産すると、市場価値20万円を超える自宅などの財産はすべて売却、換金され、借金の返済に充てることとなっていますので、自宅が持ち家の場合、自己破産後は引き続き住み続けることはできません。
しかし、自己破産手続きをしたら、直ちに自宅から出ていかねばならないという訳ではありません。自己破産の手続き自体が、申立書の準備や借金や財産の調査などに時間を要するものなので、自宅の売却処分手続きに至るまでにも時間がかかるからです。こういった自己破産手続きの流れを考慮すると、自己破産後、現在の自宅に住み続けることができる期間は大体半年から1年間と言えるでしょう。しかし、自宅を売りに出した後は、新たな買い手が見つかり次第、自宅から出ていかねばなりませんので、ご注意ください。

このページでは、自己破産すると自宅(持ち家、賃貸)はどうなるのか、また、いつまで住み続けることができるのか、次の住まいを探すタイミングや、自己破産後に自宅を残す方法について、順番に触れていきます。

☆自己破産すると自宅はどうなる?
自己破産するとすべての借金が免責になる代わりに、市場価値20万円を超える車や自宅などの財産は没収される事になっています。自宅に関しては、持ち家かそうでないか、また、住宅ローンが残っているかいないかで、処分の仕方が異なります。
●賃貸物件に住んでいる時
賃貸物件にお住まいの場合、そもそも自宅はあなたの所有物ではありませんので、例え自己破産しても現在の自宅にそのまま住み続けることができます。また、家賃を長期滞納しているなどといった場合を除き、家主より自己破産を理由に自宅の契約解除を求められることもありません。

●住宅ローンが残っている時
あなたが自宅を購入しており、且つ住宅ローンがまだ残っている場合、自宅の抵当権は住宅ローン会社にありますので、没収され、売却されます。この時、競売という方法と、任意売却という方法があります。
競売の場合、没収された自宅は裁判所によってオークションにかけられ、売却されます。ただ、市場価値よりも2~3割程度安い値段で売れることが多い上、あなたの同意がない状態で強制的に売却されることや、売上金を現金化するまでに時間を要することから、実際には競売の代わりに任意売却するケースが多いと言えます。
任意売却とは、不動産業者に仲介してもらい自主的に自宅を売却する方法です。不動産業者が自宅の市場価値の査定をし、市場で新たな買主を探します。不動産業者がカード会社(クレジットカード会社・銀行・消費者金融)とあなたのとの間に入り、お互いの合意が得られる値段を設定しますので、通常の不動産売買とさほど変わらない形で自宅を手放すことができます。任意売却の方が競売よりも穏やかに自宅を手放すことができるというイメージです。
●住宅ローンを完済している時
あなたが自宅を購入し、すでに住宅ローンは完済しているという場合、家の所有権はあなたにありますので、ローン会社に没収されるということはありません。ただし、自己破産すると市場価値20万円を超える財産を所有する事はできませんので、いずれにしても自宅を手放す必要があります。
住宅ローンを完済している場合は、破産管財人という財産の調査員が自宅の売却手続きを行います。破産管財人が不動産業者と掛け合って、自宅の買主を探すという流れになります。

☆自己破産後、いつまで自宅(持ち家)に住める?
上述しましたが、住宅ローンが残っている場合、自宅は競売にかけられるか、任意売却されることになります。住宅ローンを完済している場合でも、破産管財人によって売却処分されますが、住宅ローンの有無にかかわらず、自己破産手続き開始から自宅の売却処分までは半年から1年ほどかかります。
まず、自己破産手続きを弁護士に依頼した場合、弁護士は裁判所への申し立て書の作成準備の為にあなたの収入や借り入れ状況、財産の有無などについて調査をする必要があります。自己破産依頼後、大体3ヵ月は上記の準備に費やす必要があります。
次に、自宅を持っている場合は、管財事件として手続きを進めることになりますので、自宅などの財産を調査する破産管財人が選定される訳ですが、ここでもすぐに自宅の売却に手続きが移る訳ではありません。例えば、あなたが自宅以外に高級車や土地を持っていたような場合、破産管財人は、それらの財産の調査をもする必要がありますので、その為のやりとりにも時間がかかります。
そして、いよいよ自宅を売り出す手続きに入った際、競売なのか、任意売却なのか、破産管財人が売却処分をするのかで、自宅の査定や、不動産業者とのやりとりにも時間を割かねばなりません。例えば、自宅が競売にかけられる場合、競売にかけるための申立書が必要となりますし、弁護士にその旨依頼する必要もあります。任意売却の場合、自宅の売り出し価格が適正であるかどうかの調査もあります。破産管財人が自宅の売却処分をする場合も、不動産業者の選定などを行う時間が必要です。また、買い手が現れたとしても、その買い手が住宅ローンを組む場合、ローン審査の時間もあります。

上記のような手続き上の理由から、自己破産手続き開始から、大体半年から1年ほどは自宅に住み続けることができるという訳です。
しかし、市場に自宅を売りに出した際、あなたの自宅が駅へのアクセスが良好な物件だったり、吉祥寺や下北沢などの人気エリアにある場合、買い手が思いの他すぐに見つかるケースもあります。買い手が見つかるスピードが早ければ早いほど、自宅から立ち退く時期も早まりますので、覚えておきましょう。

☆次の住まいを探すタイミングは?
自己破産後は、ブラックリスト入りしてしまい10年間はローンを組むことができませんから、必然的に賃貸物件に引っ越すことになるでしょう。その為、自己破産後は、今まで住宅ローンに充てていた金額を、引っ越し資金として貯金するなどして、自己破産後の次の住まいのための資金対策を取ることが得策と言えます。賃貸物件には、保証会社を利用しないといけないものもありますし、職場や子供の学校、保育園などの距離を考慮し、今の自宅からなるべく離れない場所が良いなど、あなた自身の事情もあるでしょうから、自己破産する事が決まったら、すぐに次の住まい探しを始めましょう。そうすることで余裕をもって物件を探すことができます。

☆自己破産しても自宅(持ち家)を残す方法
任意売却されると、自宅は市場で売買されることになります。自宅を安値で親族に買い手になってもらうなどは自己破産における免責不許可事項にあたりますので、自宅に強い思い入れがあるなど、どうしても自宅を手放したくないといった場合は、破産管財人にその旨を説明しておきましょう。自己破産後、どうしても自宅を手放したくない場合、任意売却で親族に買い取ってもらい、その後、賃貸契約を結び、あなたが賃借人となって自宅に住むという方法も取れます。その際、破産管財人に事情を理解しておいてもらえれば、後から、免責不許可事項にあたるとみなされることはないでしょう。

☆まとめ
●自己破産後、住宅ローンの残っている自宅(持ち家)は競売にかけられるか、任意売却される。
●自己破産後、住宅ローンを完済している自宅(持ち家)は、破産管財人によって売却処分される。
●自己破産後、半年から1年後には自宅(持ち家)から退去する必要がある。
●自己破産手続きをした直後から次の住まいを探した方がよい。

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